現代では予防医学の観点から、各種伝染病を予防する為の混合ワクチンの接種や、ノミ・ダニ・フィラリア・消化管内寄生虫etc各種寄生虫感染を予防する為の予防薬の投与などが必要です。 ウイルスや寄生虫のなかには一度感染を許すと二度と体から消えることのないものや、人畜共通感染症などのように飼い主様やお子様など人間にも危険を及ぼすものがあります。これらの危険から回避する為にも犬や猫における各種予防は、飼主様の責任のもと非常に重要であると考えられます。
狂犬病は、動物のみならず人にも感染し、発症した場合100%に近い確率で死に至る怖い病気です。日本では1957年以降、狂犬病の発生報告はありませんが、予防として「狂犬病予防法」でワクチン接種が義務づけられています。犬を飼った場合、まず自治体に登録し、その後毎年4~6月の間にワクチン接種を受けます。
狂犬病以外にも犬の間で感染する伝染病は多数あります。その中にはヒトにも感染する人畜共通伝染病も含まれます。
また、ドックランやペットホテルなどでも混合ワクチン接種を義務付けておりますので、当院では1年1回のワクチン接種を強く勧めております。
猫の予防接種には、3種と5種のワクチンをご用意しておりますが、当院では3種ワクチンを用いるケースがほとんどです。
ただし、庭や外に出ることが多い場合や多頭飼いをされている場合は5種ワクチンをおすすめすることもございます。ネコちゃんの生活環境によって、柔軟に対応させていただきます。
フィラリアは蚊を媒体としてペットの体内に寄生虫が入り込み、もしも感染した場合、虫が心臓や肺動脈に寄生し、やがては死に至る病気です。
室内飼いをしている場合でも、蚊に刺されることはありますので、しっかりと予防することが大切です。予防していればフィラリアに感染することはほぼありません。
毎年5月~11月末にかけて、毎月一回予防薬を投与します。当院ではワンちゃんが薬を飲みやすいよう、錠剤薬、おやつタイプの薬を取り揃えております。ワンちゃんの好みに合う薬をお選びいただけます。
ノミやダニはいたるところにいますので、散歩中や庭に出した際などにペットの体に飛び乗ることがあります。ノミはアレルギーの原因となったり、皮膚炎を起したりします。ダニも同様で、皮膚炎やバベジア病の原因になりますので、注意が必要です。
人間に感染したことで話題となった重症熱性血小板減少症候群ですが、犬への感染報告もありますので、やはり予防が肝心です。予防薬としては、首に滴下するスポットタイプや飲み薬があります。